AI Agent / LLM App Weekly Research

メモリは保存から版管理へ

今週は、長期メモリの汚染・rollback・再構成、MCP 2026-07-28仕様、tool orchestration、coding agent評価データ生成を整理します。

作成日: 2026-08-01 対象期間: 2026-07-25 - 2026-08-01 重点: Memory / MCP / Tool Runtime / Evaluation

EDITOR'S NOTE

今週の読みどころ

前号はメモリとセットアップを信頼境界に戻す話でした。今週はさらに、メモリを保存するだけでなく、版管理し、忘却し、現在文脈に合わせて再構成する方向がはっきりしました。

MEMORY

保存よりrollback

MemSecBench、ChronoMem、MemHarnessは、長期記憶の価値を保存量ではなく、汚染検出、修復、現在文脈への再構成で見る。

MCP

toolはresourceを返す

MCP 2026-07-28は、resource link、elicitation、structured output、OAuth metadataを安定仕様へ入れた。

EVAL

評価は履歴から作る

Change2Taskはrepo履歴から実行可能タスクを作り、Share the Judgeは共有judgeとdeferralを分ける。

PRIMARY SOURCES

今週把握すべき研究・記事・事例

01
論文 / 高重要度 / 2026-07-29

MemSecBench

何が新しいかWrite、Execute、Forgetまで同じprotocolでメモリ汚染を追跡する。

なぜ重要かDaily Writingやtrade_disciplineの長期記憶を、安全性込みで検証できる。

読む観点保存、後続実行、選択的修復を別々のgateにする。

02
論文 / 高重要度 / 2026-07-30

ChronoMem

何が新しいかmemory writeごとにsnapshotをcommitし、自然言語rollbackを扱う。

なぜ重要か個人化アプリで誤った自己理解や古い設定を戻せる。

読む観点rollback後に未来の情報を参照しないかを評価する。

03
論文 / 高重要度 / 2026-07-30

MemHarness

何が新しいか過去経験をそのまま再生せず、現在状態に合わせて批評・再構成する。

なぜ重要か古い成功例の過剰適用や負の転移を抑えられる。

読む観点過去記録を使う前に、使う点/使わない点を明示する。

04
論文 / 高重要度 / 2026-07-29

Filesystem-Based Memory

何が新しいかMarkdown/ディレクトリ型メモリの整理、検索コスト、劣化を体系評価する。

なぜ重要かCodex automation memoryや個人メモリはこの形に近い。

読む観点store healthを測らない長期メモリは劣化する。

05
公式仕様 / 高重要度 / 2026-07-28

Model Context Protocol 2026-07-28

何が新しいかresource links、elicitation、structured output、OAuth resource metadataが安定仕様へ入った。

なぜ重要かmcp-notion-serverのtool出力と認可境界に影響する。

読む観点tool schemaだけでなくresourceと長時間処理を設計する。

06
公式OSS / 中重要度 / 2026-07-27

OpenAI Agents SDK v0.19.x

何が新しいかProgrammatic Tool Calling、ログ秘匿、guardrail失敗時キャンセルが入った。

なぜ重要かtool orchestrationの実装原則として再利用できる。

読む観点SDK移行ではなく、fail-closedとstructured tool outputを取り込む。

07
論文 / 中重要度 / 2026-07-30

Change2Task

何が新しいかrepo履歴から現代base上の実行可能coding-agent taskを構成する。

なぜ重要かstock_screeningの過去変更から評価fixtureを作れる。

読む観点healthy base、task state、restored stateを検証する。

08
論文 / 中重要度 / 2026-07-30

Share the Judge, Learn the Deferral

何が新しいか専門judgeを増やすより、共有judgeとdeferral/cascadeを分ける設計を示す。

なぜ重要か既存アプリで低コスト評価を始めやすい。

読む観点証拠不足や低confidenceを人間レビューへ回す境界を作る。

DEEP DIVE

ディープダイブ

メモリは保存・実行・忘却を分ける

MemSecBenchは、悪意ある記憶が保存されるだけでなく、後で実行へ影響し、さらに選択的修復ができるかまで見る。ChronoMemはsnapshotとsemantic rollbackを導入し、MemHarnessは過去経験を現在文脈へ再構成する。個人化アプリでは、保存候補queue、承認、version、rollback metadataが最低ラインになる。

MCPは実運用の境界へ進む

MCP 2026-07-28は、tool outputにresource linkを返し、serverから追加情報を求めるelicitationを入れ、structured outputとOAuth resource metadataを明確化した。mcp-notion-serverでは、検索結果を単なる文章ではなくresourceとevidenceを持つ構造化結果へ寄せるべき。

評価は自前の履歴から作る

Change2Taskはmerged PRから実行可能タスクを作る。フル実装は大きいが、stock_screeningでは過去レポート10件をcontract fixture化し、根拠URL、ticker一致、反証記載、投資助言表現の混入を測るだけで十分に始められる。

APPLICATION

既存ワークフローへの応用

HIGH

mcp-notion-server

MCP 2026-07-28互換性チェックを作り、既存tool 3件でstructuredContent、resource link、elicitation、OAuth metadata要否を確認する。

HIGH

Daily _Writing

memory candidate schemaと承認/却下/rollback fixtureを追加し、誤った記憶がfeedbackへ残らないか検証する。

HIGH

stock_screening

過去レポート10件をLLM contract fixture化し、根拠URL、ticker一致、反証記載、投資助言表現を検査する。

DECISIONS

今回の判断

採用候補

memory update queue、rollback metadata、MCP 2026-07-28互換性チェック、shared rubric + deferral。

検証候補

過去経験の再構成step、claim-centered evidence table、filesystem memory store health指標。

保留・却下

SDK移行、Claude Opus 5切替、アプリ別judge乱立、外部入力からの自動メモリ保存。